前回までの記事では、キーボード入力を使ってオブジェクトのEmissionを制御し、光の強さや色を変更する方法を解説してきました。その結果、キーボード入力でオブジェクトを発光させて、その周辺環境へ光の影響を与えることができました。今回は発光するオブジェクトをより光源っぽく見せるために、オブジェクトを少しぼかしたようなエフェクトを追加していきます。
ポストプロセッシングとは
ポストプロセッシング(Post-Processing)は、コンピュータグラフィックスにおいて、3Dシーンがレンダリングされた後に適用される一連の画像処理技術のことで、色調整やブルーム効果などにより、最終的な画像や映像の視覚的な品質を向上させることができます。
ポストプロセッシングパッケージのインストール
Unityエディタのメニューバーから Window > Package Manager を選択し、パッケージマネージャーを開きます。
パッケージマネージャー画面の左上あたりにあるドロップダウンから、「Unity Registry」をを選択します。
パッケージマネージャー画面の右上にある検索窓で「Post Processing」を検索し、「Post Processing」パッケージを選択し、「Install」ボタンをクリックしてインストールします。
ポストプロセッシングレイヤーの設定
シーン内のメインカメラを選択し、カメラのインスペクターで「Add Component」をクリックし、「Post-process Layer」を追加します。
インスペクター画面の右上にあるLayerの表記の横にある「Default」のドロップダウンを開き、現状使っていないレイヤーに新しく適当な名前(例: “PostProcessing”)で新しくレイヤーを作成します。
おそらく新しく立ち上げたばかりのプロジェクトでは「User Layer3」が空欄になっていると思うので、今回はここを使います。
先ほどカメラのInspectorに新しく追加された「Post-process Layer」コンポーネントの中の「Layer」と書かれている部分で、適切なレイヤーを選択します(”PostProcessing”)。
※最初はNothingにチェックマークがあるかと思いますが、今回はPostProcessingを選択するので、チェックマークを入れてください。
新しい空のゲームオブジェクトの作成
Unityエディタのヒエラルキーで右クリックし、「Create Empty」を選択して新しい空のゲームオブジェクトを作成し適当な名前をつけます(例: “PostProcessingVolume”)。
ポストプロセッシングボリュームの追加
作成したゲームオブジェクトを選択し、インスペクターウィンドウで「Add Component」ボタンをクリックします。その検索バーに「Post-process Volume」と入力し、リストから選択してコンポーネントを追加します。
追加した「Post-process Volume」コンポーネントの「Is Global」オプションのチェックボックスのチェックを入れて下さい。
追加した「Post-process Volume」コンポーネントの「New」ボタンをクリックして新しいポストプロセッシングプロファイルを作成します。これにより、新しいプロファイルがボリュームに割り当てられます。
「Add effect…」ボタンをクリックして、必要なエフェクト(例: Bloom, Color Gradingなど)を追加します。今回はBloomを追加して下さい。
インスペクター画面の右上にあるLayerの表記の横にある「Default」のドロップダウンを開き、先ほど作成したレイヤー「PostProcessing」を選択します。
インスペクター画面の中にある「Post-process Volume」コンポーネントのBloomのIntensityにチェックを入れて、数値を入れます。BloomのIntensityの数値が高いほどボヤッとした発光を表現できます。
結果
<Intensityの数値が0の場合>
<Intensityの数値が5の場合>
<Intensityの数値が20の場合>
マテリアルのIntensityの数値を変えると下記のように、オブジェクトの発光度合いが変わっているのが分かります。
次の記事では、キーボード操作により、発光の色や強弱を変化させることができるように少しだけ改造してみたいと思います。
まとめ
この記事では、Unityでポストプロセッシングを使ってオブジェクトをボヤッと光らせる方法を紹介しました。オブジェクトの光り方を調整することで、光源など様々なシーンで活用することができます。Unityなどのゲームエンジンでは、ポストプロセッシングはゲームやインタラクティブなアプリケーションの視覚的な品質を大幅に向上させる重要なツールとして使用されています。
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